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  ナチュラル製法のウール
毛 糸をつくる工程で、「普通に行われる化炭処理」と、「防縮加工」についてまとめ、
「化炭処理や防縮加工をしていないウール」をご紹介します。

羊の毛には、 植物の種やイガイガがついてくる

 羊は牧草地を歩き回り、そのふさふさの毛に、植物の種やイガイガを沢山つけてきます。毛糸をつくる工程で、その多くは取り除 かれますが、少しは残りま す。
 化炭(かたん)処理
(Carbonization)をおこなえば、完全に取り除くことが できます。

 日本国内のウール製品で、植物性の異物がはいっていることは、ほとんどありません。このことから、日本のウール製品は、化炭処理されていると考えられ ます。

 一方、化炭処理をしない方が良いという考え方があります。
  • 化炭処理により、ウール繊維の特性が変化するから
  • 化炭処理が、環境汚染の原因になるから
  • 化炭処理が、アレルギーの原因になるから
 化炭処理とは、どのようにするのでしょう。
sheep
羊は牧草地を歩き回り、植物の種などをつけてきます

trees and sky
sea
大気汚染・ 海洋汚染から、環境を守りましょう

化炭処理

 毛糸をつくる際、カーディングという工程(繊維の向きをそろえる)で、植物の種やイガイガは大部分取り除かれます。次に希硫 酸に 浸した後、高温で乾燥させ、植物繊維 を炭化さ せます。振動とエアで炭化物質を 振るい落とし、アルカリ性溶液に浸して中和させます。このように、酸とアルカリを使用する化炭処理により、植物性の異物は完全に取り除かれます。

 一般に、ウール繊維は火に強いので、化炭処理により変化しないと考えられています。しかし、化炭処理はウールを酸・アルカリ・高温にさらすような、相当 厳しい工程です。ウール繊維の脂分(ラノリン)は、希硫酸などにより、除去されてしまうようです。

 化炭処理で使用する化学薬品が、大気や海洋を汚染することも問題です。環境を守る立場からは、化炭処理を 行わない方が良いとされています。

 化炭処理は、アレルギーの原因になるといわれています。



化炭処理のまとめ

  • 化炭処理は、植物性の種やイガイガを完全に除去する
  • 化炭処理は、ウール繊維の脂分を除去する
  • 化炭処理の化学薬品は、環境汚染の原因となる
  • 化炭処理は、アレルギーの原因になる
 ウール製品に植物の種などの異物が入っていることについて、不良品と考えるなら、化炭処理は必要となります。日本国内のほと んどのウールが、このケースにあてはまります。

 化炭処理で使用される希硫酸により、ウール繊維の脂分(主としてラノリン)は、ほぼ完全に除去されてしまいます。ラノリンはウール繊維の保湿性・弾力 性・つやと関連があると考えられています。ラノリンがなくなることにより、ウール繊維の性質は変化してしまいます。

 植物の種などの異物が入っていても構わないとすれば、化炭処理による問題を避けることができます。植物性の 異物の例を、右の写真に示します。

防縮加工

 ウール繊維は水に浸したり機械的な刺激を受けると、繊維がからみあう度合いが増して縮みます(フエルト化といいます)。
防 縮加工はこのフエルト化がおこらないようするためのもので、繊維がからみあわないように、繊維の表面を削って滑らかにする 方法と、繊維をコーティングして滑らかにする方法があります。
 防縮加工は繊維の状態を大幅に変化させるので、ウール本来の特性も変化してしまいます。

化炭処理や防縮加工をしていないウール

 化炭処理や防縮加工をしていないウールは、ウール本来の特性を保ち、保温性や吸湿性に優れています。繊維の脂分(ラノリン) が残ってい るので、弾力性や光沢も優れています。よごれは繊維の内部に入り込まないので、風にあてる だけできれいになります。水洗いは必要ないので、縮む心配はないのですが、こすれるなど機械的な刺激を受けると小さな単位 でフエルト化し、毛玉ができることがあります。
vegetable matter
毛布に含まれる植物性の異物(矢印)

vegetable matter 2
毛抜きで引き抜いているところ

vegetable matter 3
引き抜いたところ

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ostergotlands
 スウェーデ ン、オステルヨートランド羊毛紡績は、夫婦二人の紡績工場です。 質の良い原毛だけを使用し、化炭処理や防縮加工は一切おこなわず、ナチュラルな製法でウール製品をつくっています。

 ウールの特性が活きている、特別に保温性・吸湿性に優れたウール製品となっています。

 繊維の脂分が残っているので、弾力性や光沢があり、擦り切れにも耐久性があります。 よごれにくいので、洗う必要がありません。手入れは風にあてるだけです。

 フエルト化するので、縮絨して風を通さないように、防寒性を高めることができます。 こすれるなど機械的な刺激を受けると、毛玉ができることがあります。

毛布
 デザイン: Ulla-Karin Hellsten

 オステルヨートランド羊毛紡績の毛布は、「羊の毛布」と「チェス格子」があります。 ウール本来の特性が活きており、快適な睡眠をもたらしてくれます。 質の良い睡眠をとることは、健康な生活の基本です。 ご高齢の方、病弱な方だけでなく、どなたにもお勧めしたい毛布です。

 実際にお使いの方からのコメントがあります。

「24日に一足早いXmsプレゼントが綺麗な包装と共に届 きました。その後10日、暖かさ、肌触りの良さを満喫する60時間で す。従来使用の毛100%毛布とは大差があります。 ルーペで拡大視して分る事は、表面の空気層の厚さの違いです。 それは、凸凹の有無にありました。このように素晴らしい寝 具に巡り合えた御縁に感謝します。(北広島市 O様)」


blanket sheep
羊の毛布
blanket chess
チェス格子の毛布

ニット帽子
 デザイン: Ann-Mari Nilsson

 スウェーデンのニット工場で機械編みされた帽子です。
強い風の吹雪の時でも、編目から風や冷気が入り込まず、暖かく頭部 をまもってくれます。ウール の暖かさを、身近に感じることが出来ます。

 全体がゴム編みになっていて、どんなスタイルにもフィットします。天気の良い日は折り返しを深くして浅く被り、吹雪の時はのばして、耳を覆うように着用 できます。

knit cap
帽子 黒(左)、紺(右)

ペルスウールのくつ下


 スウェーデンのニット工場で機械編みされたソックスです。 ウール本来の暖かさで、足元を暖かくすごせます。 よごれがつきにくいので、洗う必要がなく、手入れは風にあてるだけですみます。

 信じがたいことですが、臭いがつくこともありません。ウールの縮れた繊維が大量の空気を蓄えることで、乾燥状態を保ち、臭いの原因となる 細菌の作用を抑えていると考えられます。

knit socks
ペルスウールのソックス
(サイズ:左より、大、小、中)


毛糸

 
 オステルヨートランド羊毛紡績の毛糸は、ウール100%です。きれいな色、つやのある毛糸です。 脂分が残されているので、すべりがよく、編みやすい毛糸です。 編みものや織り物など、手づくりで上質な生活を実現してください。

  • ヴィシュ(単色 27色)
  • オンブレ(ぼかし染 5色)
  • 多色染め(12種)
yarn
毛糸 矢車草(左)、サンイエロー(右)
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